去年の6月から、個別指導の塾講師のバイトを始めて、一人また一人と教え子が巣立っていった。
今日は高3の男の子の最後の授業だった。
この子はお世辞にも英語が出来るとは言えず、やって来た当初は高3生なのに不定詞や動名詞といった基本的な文法事項も分からないような状態だった。
しかし、この子は勉強が出来ていなくても、真面目に授業を受け、努力する姿勢が誰よりもあった。毎回きちんと宿題をやってきた。宿題を鬼のように出しても、ちゃんとやってきた。
その結果、毎週やっていた文法のテストは満点を取れるようになり、単語テストの成績もグンと上がった。目に見えて成績が上がった。学校でも、友達や先生にとても驚かれたと嬉しそうに喋ってくれた。
年齢は2つ下だけれども、この生徒からは多くのことを教えてもらった気がする。
毎回、授業の終わりには、深々と頭を下げてお礼を言ってくれる。
今日は40分も授業をオーバーしてしまったのに、わざわざありがとうございますと逆に感謝されてしまった。
こんなに真面目で良い生徒だと、教える側も生徒のために何とかしてあげようという気持ちが芽生える。
単語のプリントをつくったり、解答のコツをつくったり、添削をしたり、バイトの時間以外にも時間を費やした。
そこに一切お金は介在しない。
ひとは、お金で繋がっている関係よりも、気持ちと気持ちで繋がっている関係の方が遥かに強固だ。
塾の先生と生徒という関係だけだったら、そこまでやろうとは思わないが、生徒に“ひと”としての魅力があれば、なんでもやってあげようという気持ちになる。
勉強のできる人間は世の中に沢山いると思うが、ここまで人徳の備わっているひとはそういない。ましてや高校生で。
希少価値はこちらのほうがよっぽど高い。
ひととひととは、こうして繋がっていくということを実感した。
と同時に、今の自分はこの生徒にどうすれば追いつけるか考えるきっかけになった。
感謝する姿勢、真面目に努力する姿勢、謙虚に学ぼうとする姿勢。
歳を重ねるにつれ、忘れてしまっていたと思う。
この生徒が無事に大学に受かって、立派な映画監督になる日を陰ながら楽しみにしていよう。
一ファンとして、こっそりアドレスも聞いたことだし(笑)
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